【2月10日 AFP】香港当局は9日、乗員が新型コロナウイルスに感染している疑いがあるとしてクルーズ船「ワールド・ドリーム(World Dream)」の船内に5日間にわたり足止めされていた乗客乗員3600人余りに下船を許可した。乗員のウイルス検査結果が陰性となったため。

 香港の保健当局は、クルーズ船の乗員1800人とほぼ同数の乗客に対する隔離を解除したと発表した。

 1月19日から24日の間、ベトナムへ向かっていた同船に乗っていた中国人3人は後になり、重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た新型コロナウイルスに感染していたことが判明した。これを受けて、乗員の一部がこのツアーで同ウイルスに感染し、船内でウイルスをうつす恐れがあったため隔離対策が講じられていた。

 香港の政府は5日、香港へ入港した同船に対し、乗員に対する検疫の間の香港への上陸を拒否。しかし検疫について、乗客には1月のツアーで感染した乗客3人との接触がないため、検疫を受ける必要はないと述べていた。

 昨年12月末に中国・武漢(Wuhan)市で最初に発生した同ウイルスでは、これまでに中国で800人余りが死亡。感染者の数は、中国本土で3万7200人余りとなり、香港では少なくとも36人となっている。(c)AFP/Xinqi SU