【2月10日 AFP】イランは9日、ペルシャ語で「勝利」を意味する人工衛星「ザファル(Zafar)」の打ち上げに「成功」したが、軌道投入には失敗したと発表した。米国からミサイル開発のための口実と非難されている同国の宇宙開発計画に打撃となる。

 イランは11日に41年目の革命記念日を控えており、今月には重要な議会選挙も行われる。

 国防軍需省によると、人工衛星「ザファル」は9日午後7時15分(日本時間10日午前0時45分)に打ち上げられたが、軌道に達することができなかった。

 同省の報道官は当初、人工衛星の打ち上げは「成功」し「飛行経路を90パーセント」進み高度540キロに達したと発表。しかし同省宇宙部門のアーメド・ホセイニ(Ahmad Hosseini)氏は国営テレビで、「残念ながらロケットは最後の瞬間で(人工衛星を軌道に乗せるのに)必要な速度に達しなかった」と語った。

 イランは2019年1月にも衛星を打ち上げ、米国はこれが弾道ミサイルの開発制限に違反するとして同国の衛星開発計画にこれまで懸念を示している。

 イランはさらに同日、新型の短距離弾道ミサイルと、人工衛星を宇宙に送るために設計された複数の「新世代」エンジンを公開した。(c)AFP/Amir Havasi