【2月9日 AFP】住民らの姿が消えたシリア北西部イドリブ(Idlib)県アリハ(Ariha)。7日撮影。

 イドリブ県はシリア反体制派の最後の拠点となっているが、政府軍が交通の要衝サラケブ(Saraqeb)を完全に掌握した。

 政府軍は昨年12月以降、ロシアの支援を受けてイドリブ県に猛攻撃を実施。反体制派を支援するトルコが攻撃の中止を求めたが、政府軍は次々と町を掌握してきた。

 国連(UN)や人道支援団体も攻撃をやめるよう要請。大勢の避難が、約9年に及ぶ内戦で最悪規模の人道危機を生み出していると警告していた。

 この攻撃により、民間人300人以上が死亡したほか、約58万6000人が比較的安全なトルコ国境付近への避難を余儀なくされた。

 幹線道路M4とM5の奪還を目指す政府にとって、両道路が交わるサラケブの制圧は極めて大きな戦果だ。

 シリアで最長の幹線道路であるM5は、第2の都市アレッポ(Aleppo)から首都ダマスカスを経てさらに南へ延び、ヨルダン国境まで続いている。

 在英のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は7日、政府軍がM5のうちイドリブ県内を走る部分をすべて支配下に置いたと発表した。反体制派が支配しているのはアレッポ市の南西のわずか15キロメートルにすぎない。(c)AFP