【2月11日 CNS】中国全土で建設工事が完了した海水の淡水化施設は、2018年末の時点で累計142か所になり、1日の淡水生産能力は120万1700トンに上ることが分かった。自然資源部が4日、「全国海水利用報告書」を発表した。

 2018年は5か所が新設され、1日当たりの淡水生産量は1万2500トン増となった。浙江省(Zhejiang)と広東省(Guangdong)にある新施設は、主に島の生活用水や沿海都市の工業用水として使われる。

 全国で1日当たりの生産量が1万トン級以上の施設は36か所、最大の施設では20万トンに達する。

 2018年末現在、施設は沿海の9省・市の水資源が不足している都市と島に分布している。北部の海洋経済圏では、主に大規模な工業用水として使われ、天津(Tianjin)、山東(Shandong)、河北(Hebei)などの電力、鉄鋼といった水を大量に使う産業に用いられる。東部と南部の海洋経済圏では、島しょの生活用水をつくる施設が多く、100トン級や1000トン級の施設が中心だ。

 報告書によると、2018年度の沿海地方での原子力発電、火力発電、鉄鋼、石化などの産業で、海水の淡水化によってできる冷却用水の使用量は安定して増加、年間の累計使用量は1391億5600万トンに達し、このうち2018年の新たな増加分は46億7100万トンだった。

 中国では昨年、逆浸透膜、高圧ポンプ、太陽エネルギーを利用した海水の淡水化装置などの設備や材料の研究・開発は順調に進められ、独自に製造した装置は「一帯一路(Belt and Road)」国家でも利用されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News