【2月9日 AFP】フランスのフィギュアスケート界を取り巻く性的虐待スキャンダルへの対応が批判されていた、同国アイススポーツ連盟(FFSG)のディディエ・ガイアゲ(Didier Gailhaguet)会長が8日、辞任を発表した。

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 この問題では、世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)で銅メダルを獲得したサラ・アビトボル(Sarah Abitbol)さんが元コーチのジル・ベイヤー(Gilles Beyer)氏からレイプと性的虐待の被害を受けていたと告発するなどし、ロクサナ・マラシネアヌ(Roxana Maracineanu)スポーツ相がガイアゲ会長の辞任を要求していたが、その圧力が限界に達した形となった。

 ガイアゲ会長は、パリで行われた連盟の会合の後、「和解の精神にのっとり、職を辞するという賢明な決断を下した。信念と品位を持って辞めるのであって、苦々しさはない」と明かした。

 アビトボルさんは先月出版された本の中で、15歳から17歳だった1990年から92年にかけてベイヤー氏の被害に遭っていたと告発。次いで別の元スケーター3人も未成年時の性的虐待を主張していた。

 その中で、ガイアゲ会長は「ジル・ベイヤーを保護したということは全くもってない」「この件の90パーセントは10日前に、報道や本で知った」と述べてマラシネアヌ・スポーツ相からの辞任の要求を拒んでいた。辞任を表明した会長は、「スポーツ相による横暴と、何よりサポートを停止するという恥ずべき脅迫」への恨みを口にしている。

 一方のマラシネアヌ・スポーツ相は、ガイアゲ会長の辞任を「第一歩」と評価し、「一度壊して再建する以外の解決策はない」「被害者のためにも、われわれにはその義務がある」と続けた。

 アビトボルさんも、ガイアゲ会長の辞任では足りないと考えており、仏週刊誌ロプス(L'Obs)に「彼の友人はまだ残っているし、連盟全体を浄化すべきです」「黙って彼のシステムを支えてきた人たちがまだ残っているんです」と話した。(c)AFP/Andrea BAMBINO, Elodie SOINARD