【2月8日 AFP】シンガポール政府が新型コロナウイルスに対する警戒レベルを上から2番目のオレンジへと引き上げたことを受け、同国では8日、パニックに陥った市民がスーパーへと買いだめに走り、生活必需品の商品棚が次々に空になった。これまでにシンガポールの感染者は33人に上っている。

 シンガポール政府は7日、警戒レベルを「オレンジ」に引き上げた。これは2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)発生時と同じレベルで、このウイルスによる感染症が深刻で、人から人にうつりやすいということを示している。

 政府の発表を受け、人口570万人の同国では7日夜からパニックが起こり、コメや麺、トイレットペーパーなどを買いだめするために人々がスーパーなどに殺到。その多くがマスクを着用していた。

 ソーシャルメディアで拡散している画像は、一部の店舗で空っぽになった棚や、商品がたくさん積まれたカート、レジ前の長蛇の列を捉えている。こうした状況は8日まで続いた。

 食料品店から出てきた主婦の女性(50)はAFPの取材に応じ、「警戒レベルがさらに上がると、外出できなくなるかもしれない」と語った。

 疫病の発生に関するシンガポールの警戒レベルは4段階で、「オレンジ」の上の「赤」が最高の警戒レベルとなっている。

 政府は国民に冷静を呼び掛け、チャン・チュンシン(Chan Chun Sing)貿易産業相は「主要な食料品や必需品が不足する恐れはない」とフェイスブック(Facebook)に投稿し、買いだめに走る必要はないと訴えた。(c)AFP