【2月8日 AFP】パキスタン議会は7日、子どもを殺害したりレイプしたりして有罪判決を受けた犯人に公開処刑を執行するよう求める決議案を可決した。

 パキスタンでは近年、子どもに対する性的暴行事件が相次いだことから、人々が怒りの声を上げ、国内各地で暴動が発生していた。

 同国の国民議会(下院)に決議案を提出したアリ・ムハンマド・カーン(Ali Muhammad Khan)議会相は、子どもを殺害したりレイプしたりした者は、「単なる絞首刑でなく、公開で絞首刑を執行するべきだ」と主張。「コーランはわれわれに、殺人者は絞首刑に処すよう命じている」と説明した。

  今回の決議に拘束力はないものの、決議案に多くの議員が賛成した。だがシーリーン・マザリ(Shireen Mazari)人権相は、決議案について、政府が提出したものではないと強調。ツイッター(Twitter)への投稿で、公開処刑に関する決議は「党の路線から外れたもので、政府が提出したものではなく、個々人の行動によるものだ。われわれ人権省の多くは、この決議に反対している」と批判した。

 パキスタンでは、子どもに対する性的虐待が横行。2018年10月には、同国東部ラホール(Lahore)に近いカスル(Kasur)で発生した女児へのレイプ殺人で、犯人の男に絞首刑が執行された。

 国内各地で抗議デモを招いた悪名高いこの事件では、ザイナブ・ファティマ・アミン(Zainab Fatima Ameen)ちゃん(6)が襲われ、24歳の男が犯行を認めた。

 カスルの当局はまた、2015年に大規模な小児性愛者組織の存在を明らかにしていた。同国を震撼(しんかん)させたこの事件では、少なくとも280人の子どもたちがギャングたちから性的暴行を受けた上、被害者の親がギャングたちに、その様子を捉えた映像を流出させると脅迫されていた。(c)AFP