【2月8日 Xinhua News】中国・四川省(Sichuan)雅安市(Ya’an)宝興県(Baoxing)林業局は6日、1頭のジャイアントパンダが5日夜から6日早朝にかけて、地元農家の豚の飼育小屋で「一晩過ごし」、その後、そこから立ち去ったと明らかにした。同局職員がこのパンダの身体とふんを観察し、健康な野生の成獣だと判断したという。

 同局は5日午後9時頃、同県霊関鎮建聯村の村民、李光林さんから、自宅にある豚の飼育小屋に1頭の野生のパンダがいるのを見つけたとの報告を受けた。その後、同局の職員が当日夜に現場に駆けつけ、小屋の周りでパンダを徹夜で観察した。

 同局野生動物保護科の鄭従軍科長は、このパンダは4~5歳の野生の成獣とみられると説明した上で、「宝興県はここ数日、大雪のため、道路が通行不能となっている。このような場合、竹も凍り付いてしまうため、野生のパンダはエサが取れなくなる。それで食べ物を求めて山から人里に下りてきたのだろう」と指摘し、「パンダは今朝(6日午前)5時過ぎに、自分で山に帰って行った」と述べた。

 同県は山々に囲まれた場所にあり、大部分のエリアがジャイアントパンダ国家公園の範囲に含まれている。また、住民や観光客が毎年何度も野生のパンダを見かけている。

 パンダが科学的に発見された場所であることから、同県は「ジャイアントパンダのふるさと」と呼ばれている。「第4次全国ジャイアントパンダ調査」によると、県内に生息する野生のジャイアントパンダは181頭に上る。(c)Xinhua News/AFPBB News