【2月7日 AFP】新型コロナウイルスについて研究している中国の科学者らは7日、絶滅が危惧されているセンザンコウが、中国国内でのウイルス感染拡大に関わった可能性があると指摘した。

【動画】インドネシア当局、生きたセンザンコウ101匹を押収 男2人逮捕

 華南農業大学(South China Agricultural University)は、うろこのある哺乳類センザンコウが「中間宿主」になった可能性があると発表。ただ詳細については明らかにしていない。

 中国中部・湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)の野生動物市場で昨年発生したとされるこの新型ウイルスの感染源はコウモリだと考えられる一方で、研究者らは、人への感染を媒介した「中間宿主」がいた可能性を示唆していた。

 国営新華社(Xinhua)通信は7日、同大の研究班が1000以上の野生動物の検体を調べたところ、センザンコウと人間の感染者から検出されたウイルスのゲノム配列が、99%一致することを突き止めたと伝えた。

 国際自然保護連合(IUCN)によると、センザンコウは世界で最も不正取引の対象になっている動物で、アジアとアフリカで密猟された数は過去10年で100万匹以上に上っているという。

 密猟されたセンザンコウは中国とベトナムに送られ、うろこは伝統薬の材料として用いられ、肉は闇市場で売買されるという。

 中国当局は先月、新型ウイルスの流行が落ち着くまで、野生動物取引の一時的な禁止を命じている。(c)AFP