【2月7日 AFP】シリア反体制派の最後の拠点となっている北西部イドリブ(Idlib)県では6日、政府軍が交通の要衝サラケブ(Saraqeb)の大部分を制圧した。シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)が明らかにした。

 サラケブは、南部の首都ダマスカスと北部アレッポ(Aleppo)を結ぶ幹線道路M5と、地中海の港湾都市ラタキア(Latakia)とアレッポを結ぶ幹線道路M4が、反体制派の支配する県都イドリブ(Idlib)に続く道路と交わる交通の要衝。政府軍は5日にサラケブ市内に進攻し、反体制派やイスラム過激派の戦闘員と激しい戦闘を展開していた。

 人口およそ300万人のイドリブ県では、ロシアの支援を受けたバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権軍が攻勢を強めている。2か月にわたる空爆と激しい地上戦で約58万6000人が自宅からの避難を余儀なくされ、全ての町から住民の姿が消えた。

 シリア人権監視団によれば、県内では空爆の激化に伴い、昨年12月半ば以降だけで民間人300人以上が死亡。6日にも17人が空爆の犠牲となった。

 一方、首都ダマスカス南部では6日未明にイスラエルの空爆があり、シリア人と外国人戦闘員23人が死亡した。イスラエルは、イラン軍が駐留する施設を標的にしたと主張している。

■トルコ大統領、ロシアとシリアに警告

 シリア北西部に軍を展開して反体制派を支援するトルコは、アサド政権とロシア政府にイドリブ攻撃の中止を改めて要求した。

 レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は5日、「アサド政権軍が撤退しないなら、トルコは自らこの問題に対処しなければならなくなる」と警告。首都アンカラで与党議員らに対し、シリアに今月末まで猶予期間を与えると述べた。

 また、メブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相はアゼルバイジャンの首都バクーでテレビ取材に応じ、「トルコ政府はロシアができるだけ速やかにアサド政権を阻止することを望む」と述べた。(c)AFP/ Omar Haj Kadour with Tony Gamal-Gabriel in Beirut