【2月7日 AFP】フランス・アイススポーツ連盟(FFSG)のディディエ・ガイアゲ(Didier Gailhaguet)会長は6日、同国のフィギュアスケート界を取り巻く性的虐待スキャンダルをめぐり辞任する可能性に言及した。一方、問題の渦中にいる元コーチは検察官の捜査に応じる態勢を整えている。

【関連記事】仏フィギュア界の性的虐待問題、辞任拒否の連盟会長が批判一蹴

 長らくFFSGのトップを務めているガイアゲ会長は、同日夜のテレビ番組で必要に迫られれば辞任する意向を示し、「これが現状を打破する唯一の方法で、私が辞める必要があるのなら、もちろんそうする」と述べた。

 また、ロクサナ・マラシネアヌ(Roxana Maracineanu)仏スポーツ相をはじめとする批判の声に対しては、自身の説明を聞いていないとの主張を繰り返し、「まだ言うべきことがあって、そのことについて申し上げたい。まだ説明を終えていない」と語った。

 これに先立ち、元教え子であるスケーターにレイプ被害を告発されたジル・ベイヤー(Gilles Beyer)氏の弁護士は、AFPの取材に対して、当時未成年だったフィギュアスケート選手への性的虐待疑惑を捜査している検察官への聴取に応じる用意があると明かした上で、「ジル・ベイヤー氏はこの数日間、メディアによってまな板の上に置かれている。しかし、検察官への供述内容については控える」と述べた。

 世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)で銅メダルを獲得したサラ・アビトボル(Sarah Abitbol)さんは、先月出版された本の中で、15歳から17歳だった1990年から92年にかけて元コーチのベイヤー氏から複数回にわたりレイプと性的虐待の被害を受けていたと告発した。

 これをきっかけに、仏フィギュアスケート界では次々と疑惑が明るみに出ており、エレーヌ・ゴダール(Helene Godard)さんは未成年の時にベイヤー氏とジャンロラン・ラクレ(Jean-Roland Racle)氏から性的虐待を受けたと主張した。

 さらに5日に仏スポーツ日刊紙レキップ(L'Equipe)は、別の若いスケーターの母親が、ベイヤー氏から娘の指導をする見返りとして2017年と18年にセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)や脅迫を受けたと報じている。(c)AFP