【2月7日 AFP】「氷上のプリンス」こと羽生結弦(Yuzuru Hanyu)は、2018年平昌冬季五輪で金メダルを獲得した伝説のプログラムからインスピレーションを引き寄せて、現在韓国・ソウルで開催されているフィギュアスケート四大陸選手権(ISU Four Continents Figure Skating Championships 2020)を制して男子では史上初となる「スーパースラム」の達成を目指している。

【写真】フィギュア男子で連覇を果たした羽生結弦、平昌五輪

 現在25歳の羽生は、2年前の平昌冬季五輪で2大会連続の金メダル獲得を果たすのに役立てた青写真のほこりを払い、今大会のプログラムはその優勝を果たしたときと同じ楽曲に戻すとしている。

 しかし、男子では66年ぶりの五輪連覇を果たしてから、もがいていたことを認めた。

 羽生は6日、国内メディアに対して「五輪の後、4回転半ジャンプの習得を目指していた」「だけど、今季は少し課題が出ているので、今は自分のフィギュアスケートをしたい」「勝つことよりも強くなることを目指す」と語った。今週はじめにソウル入りした際には、各地で流行している新型コロナウイルスへの対策としてマスクを装着し、さらに黄色い歓声で出迎えたファンには近寄らないように促していた。

 フィギュアスケートの「スーパースラム」はジュニアの世界タイトルに加え、シニアの世界選手権(ISU World Figure Skating Championships)、五輪金メダル、グランプリ(GP)ファイナル、そして大陸選手権をすべて制覇すること。

 羽生はその輝かしいキャリアで唯一欠けている四大陸選手権のタイトル獲得に向けて、ショートプログラム(SP)ではフレデリック・ショパン(Frederic Chopin)作曲の『バラード第1番(Ballade No.1)』、そしてフリースケーティング(FS)では映画『陰陽師』のサウンドトラックで梅林茂(Shigeru Umebayashi)作曲の『SEIMEI』に戻した。

 通算2度の世界選手権制覇を誇る羽生は、単にノスタルジックな決断で曲を変更したのではないといい、「確かにそういう意味合いもある。平昌五輪で金メダルを獲得した後、また韓国に戻れてうれしい」「それよりも『これが自分のフィギュアスケート』というものを表現することだった。自分らしく滑りたいということ。まだつかみきれていないところもあるけれど、徐々につかみきれたら」と語った。(c)AFP