【2月9日 CNS】新型コロナウイルスによる肺炎の拡大に伴い、「マスクを買う」は今や最も関心の高い話題だが、「マスクの捨て方」も大きな問題だ。医療廃棄物の処理能力は新たな挑戦を迎えており、二次汚染を防ぐため、四川省(Sichuan)、甘粛省(Gansu)、河南省(Henan)などの20か所で、全力を挙げた対策が動き出している。

■武漢の処理能力はすでに負荷オーバー

 医療廃棄物の処理の最前線で闘っているのは、環境保護部門の作業員、各地域の環境保護管理部門と環境保護企業だ。毎日、大量の医療廃棄物が病院から出てくる。それを作業員が収集し、指定された処理会社まで運び、無害化処理を行っている。

 感染が最も深刻な湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)では、「漢氏環保工程」が市の医療廃棄物の収集、輸送と処理を担っており、1日の処理能力は50トンだ。同社の責任者の楊帆(Yang Fan)さんは取材に応え、「医療廃棄物は、重量は軽いがかさばり、漏れないように包装しなければならず、収集量が大きくなると輸送力不足となります」と語った。

「医療廃棄物の処理は、市外に出すことは許されていません。武漢市とその周辺都市は、現段階ですでに処理能力をオーバーしています」と業界内の専門家は語った。

■20都市で能力増強対策が始動

 感染が拡大するにつれて、四川省、甘粛省、河南省など20の地域で医療廃棄物の対策が打ち出されている。

 四川省の生態環境庁は、処理能力を超えた場合でも適時な無害化ができるよう、「成都興蓉環保科技」「中節能(攀枝花)清潔技術」など4企業を、医療廃棄物の処理を行う補助企業として新たに追加した。

 陝西省(Shaanxi)生態環境庁は、感染発生時の処理能力が不足するかあるいは病理性・化学性廃棄物の処理ができない状況で、近隣地域の施設を選んで処理を行うか、あるいは地元で補助的企業を選んで処理を行うことができると明確にしている。

 上海市生態環境局は、今後の増加量をしっかりと見極め、異なるレベルの緊急対応案を作り、人的な準備と施設の準備を行い、適時処理を行えるよう確保するとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News