【2月6日 AFP】香港で、新型コロナウイルス流行の影響でトイレットペーパーや米が不足するとのうわさがインターネット上で広まり、人々がスーパーマーケットに殺到してパニック買いが起きている。香港政府は、「物資不足」のうわさが当局の流行対策を妨げていると非難している。

 AFPが入手した映像には、取り乱した買い物客らがショッピングカートに多数のトイレットペーパーを積み上げ、レジに長蛇の列をつくる様子が捉えられている。客同士が口論になる場面も確認できる。

 米やパスタ製品も買い占めの主な対象となっている。

 こうした映像や、トイレットペーパーが一掃された商品棚の写真が出回る中、香港政府は買い占めをやめるよう市民に呼び掛けた。

 政府の声明は、「米やトイレットペーパーなどの物資が不足しているとのさまざまなうわさが最近広まり、買い占めや混乱すら招いている事態を受け、政府報道官は本日、香港市が新型コロナウイルスと闘っているときにうわさを広めるという害意ある行為に遺憾の意を表明するとともに、悪意を持ったうわさの拡散者を非難する」と述べている。

 香港は中国本土との境界のほとんどを閉鎖したが、航空物流に影響は出ておらず、「主食の蓄えは十分にある」と政府は説明している。

 香港の古紙リサイクル会社はAFPの取材に、トイレットペーパーに関する市民からの問い合わせが5日だけで100件を超えたと明かした。また、香港公共放送RTHKによれば、湾仔(Wanchai)地区のスーパーマーケットでは前夜に補充されたトイレットペーパーと米が、6日朝の開店から30分以内に売り切れたという。

 映像は6日撮影。(c)AFP