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NH WATCH/NH TYPE 1B

1930~50年代の意匠を取り入れつつケース径37㎜という現代的サイズと実用性を兼備。ムーブメントはETAヴァルジューの自動巻きクロノグラフから自動巻きとクロノグラフ機構を省略。手巻き、904Lステンレススティール、ケース直径37㎜。税別180万円。

時計愛好家の理想を具現化した時計が続々登場すると予測
少量生産のシンプル・ウォッチがさらに加速

シンプルだが美しくて高級な時計は昔からあったが、近年、このジャンルが沸騰している。源流は独立時計師フィリップ・デュフォーが2002年に発表した『シンプリシティ』。これが世界の時計愛好家から絶大な支持を得たことで、独立時計師を中心に、このタイプのモデルが続々登場。だが今、注目したいのは時計師やメーカーではなく、時計を愛するコンセプターが独自の美学に基づいて生み出したモデル。その好例が、長年、スイス高級時計のマーケティングと販売に携わってきた飛田直哉氏による『NH TYPE 1B』である。

この時計は少量生産ゆえ廉価ではないが、決して法外ではない。特徴は贅肉をそぎ落とした時計の極限的な魅力に加え、ムーブメントやケースの精緻な作り込み、さらにストラップや付属するボックスまで、これを作る職人の顔まで見えるような打ち出し。これが魅力を倍加させ、2019年3月に発表した『NH TYPE 1B』は年間生産予定の7本が早い段階で、すべて予約完売したという。今後も時計愛好 家の理想を具現化したシンプル&ハイエンドなモデルは次々と登場するに違いない。それは我々にとって夢の時代の到来を意味している。

名畑政治(なばた・まさはる)
時計はシンプルなのが一番。そして美しくて腕に馴染むもの。学生時代から、それを探してたら40年以上が経過し、コレクションは増える一方。そろそろまとめないとダメだね。