【2月8日 CNS】中国・国家衛生健康委員会(NHC)によると、4日午前0時の時点のデータから計算した全国の新型コロナウイルスの確定感染者の死亡率は2.1%となった。死者は湖北省(Hubei)に集中していて全国の97%を占め、湖北省の確定感染者の死亡率は3.1%。また、武漢市(Wuhan)の死者数は全国の74%を占め、武漢市の死亡率は4.9%になった。

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■武漢の死亡率が高い理由

 湖北省と武漢市の死亡率は、全国平均より高い。湖北省を除くその他地域の死亡率は0.16%だ。全国平均の死亡率は初期の2.3%に対し、現在は2.1%とやや減少している。

 武漢市の死亡率がその他地域に比べて高いことについて、焦雅輝(Jiao Yahui)副局長は「この間、重症患者を重点病院3か所で収容・治療したが、この3病院の重症患者用ベッド数は110床しかなく、収容能力が足りていないことから、重症患者は20余りの病院に分散された。これらの病院では、重症医学専門ではない医療チームが治療を行うこととなり、高レベル医療資源の配置が手薄となったことが、死亡率が高めとなっている一つの要素と考えられる」と説明した。

■湖北省の平均入院日数は全国平均より長い

 焦副局長によると、湖北省以外の全国の新型コロナウイルスによる肺炎患者の平均入院日数は、最短が海南省(Hainan)の5日、最長で広東省(Guangdong)の12.75日で、湖北省を除く全国の退院患者の平均入院日数は9日となっている。なお、湖北省の平均入院日数は20日と飛び抜けて長い。

 湖北省の平均入院日数が長い理由は二つあり、一つは重症患者数が多いこと、もう一つは武漢市が厳しい退院基準を定めたことによる。

 国の診療案によると、退院の基準は症状が消失してから検査を2回行い、その間隔は24時間空けることが求められている。この2回の検査の結果、いずれも陰性であれば退院できる。

 しかし、武漢市の基準はさらに厳しく、上述基準に合格後、さらに病院内で10~12日観察を行うこととされており、湖北省と武漢市の退院患者の入院日数が長くなっているという。

■発熱外来の患者は減少

 焦副局長は新型肺炎の重症患者に対する治療状況について、現時点で31の省・市・自治区に設置した発熱外来は1万5000か所、重点病院は2092か所に上ることを明らかにした。3日だけで中国全土の発熱外来で診察した患者数は22万865人、前日比で1万6710人減少した。全国の状況を見ると、この数日で発熱外来の来診者は減っているとしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News