【2月6日 AFP】インドネシアのリゾート地バリ(Bali)島でアフリカ豚熱(ASF)に感染した豚900頭近くが死んだことが確認されたと、地元当局が5日発表した。インドネシアではスマトラ(Sumatra)島で約3万頭の豚がASFにより死んでいるが、バリ島で感染が確認されたのは初めて。

 バリ島の農業食品安全当局者によると、昨年12月中旬以降に約900頭の豚が死に、検査で死骸からASF陽性反応が出た。豚の大量死は先週中に収束したとみられ、ASF流行への懸念払拭(ふっしょく)のため、7日から始まる豚祭りは予定通り実施するという。

 インドネシア当局は昨年12月、北スマトラ(North Sumatra)州でASFに感染した豚数万頭が死んだと発表していた。

 インドネシアは世界最大のイスラム教徒人口を抱え、豚肉食はイスラム教の聖典コーランで禁じられているが、北スマトラ州はキリスト教徒が多数を占め、またバリ島はヒンズー教徒が多く豚料理が名物となっている。

 ASFは人に感染することはないが、豚が感染するとほぼ100%の確率で死ぬ。中国をはじめアジア各国で養豚場に壊滅的な被害が出ている。これまでにミャンマー、ラオス、フィリピン、ベトナム、カンボジア、東ティモールなどで感染が確認されている。

 インドネシアでは、豚は一般的に裏庭の豚小屋や小規模農場で飼育され市場に出荷されており、ウイルスがまん延しやすい。(c)AFP