■「僕の脚はどこ?」

 ある11歳の少年は、学校で授業中に砲撃に遭った。同級生のほとんどが負傷した。「その子は両脚を失った。麻酔から覚めるとこう聞かれた。『僕の脚はどこ? なぜ僕の脚を切ってしまったの?』と」

 中でも最もつらい記憶は、2013年8月に毒ガスのサリンによる攻撃があった日のことだ。米国の統計によると、アサド政権軍によるものとされるこの攻撃で、少なくとも1429人が死亡。そのうち426人が子どもだった。「ザ・ケーブに出てくる病院では遺体を置く場所がなく、私たちは遺体を積み重ねていた」

 シリア人監督フェラス・ファヤード(Firas Fayyad)氏によるドキュメンタリーは、即興の誕生パーティーで、風船の代わりに膨らせた外科用手袋が破裂した時のような喜びに満ちた場面も捉えている。医療スタッフは「一つの大きな家族になり、喜びの瞬間を探そうとしていた。人間であることを再び感じられるように」とバロア医師は語る。

 病院では日々の恐怖に加え、いまだ非常に保守的な環境での性差別にも耐えねばならなかった。「最初のうちは(女性なので)私にはできないと言われた。職務上のプレッシャーがある中で、女性にも病院を運営できるということを証明しなければならかった」 (c)AFP/Rana MOUSSAOUI