【2月6日 AFP】数十種類のがんのすべての遺伝情報を調べる大規模な研究の結果、がんができる仕組みの解明やより良い治療法の開発につながるとみられる数多くの新たな発見があったと、国際研究グループが発表した。

 パンキャンサー・プロジェクト(Pan-Cancer Project)では、1300人以上の世界の研究者が、2800人近くの患者から採取した38種類のがんのすべての遺伝情報を解析する大規模な研究を行った。

 その結果、がんの直接的な原因となるいわゆる「ドライバー変異」の数と位置や、さまざまな組織で発見されたがんに驚くべき類似性があることなど、多くの新しい発見があったという。

 研究結果は6日、英科学誌ネイチャー(Nature)などのネイチャー・リサーチ(Nature Research)出版誌に掲載された20本以上の研究論文で発表された。がんゲノムに関する過去最大で最も包括的な研究となった。

 研究では、それぞれのがんにある数千種類の変異の組み合わせと、変異を引き起こす80種類以上のプロセスを突き止めた。その中には、年齢に関係するものや遺伝性のもの、喫煙などライフスタイルに関係するものなどがあった。

 また、一部のがんでは、がんと診断される数十年前に初期段階に入っている場合もあり、幼少期にすでにがんが発生していたケースもあった。「このことは、早期介入に適した時期は予想以上に広いことを示している」と、英遺伝子研究機関ウェルカム・サンガー研究所(Wellcome Sanger Institute)のピーター・キャンベル(Peter Campbell)氏は話す。

 研究では、変異のパターンとそれがどこで起きるかが分かれば、通常の診断方法では特定できないがんのおよそ1~5%を特定できる可能性があることも明らかになった。

 研究プロジェクト運営委員会のメンバーであるリンカーン・スタイン(Lincoln Stein)氏は、カナダのオンタリオがん研究所(Ontario Institute for Cancer Research)が発表した声明の中で、「腫瘍の原因と形成について得られた知識によって、がんの早期発見、より目的を明確にした治療法の開発、そして患者により効果の高い治療を行うための新たなツールや治療法を開発できる」と述べた。(c)AFP/Sara HUSSEIN