【2月5日 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は4日、無罪がほぼ確定となった弾劾裁判の評決を翌日に控える中、上下両院合同会議で一般教書演説を行った。内容は自身の実績の強調に終始し、演説終了後には民主党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長が演説の原稿を破る様子も見られた。

 トランプ氏は議場入りの際、慣習に反してペロシ氏と握手をしなかった。ペロシ氏は先月、トランプ氏の弾劾訴追の決議において主導的な役割を果たした。

 トランプ氏の後ろに座ったペロシ氏は演説の間、顔をしかめたり、トランプ氏の主張を否定するような笑顔を見せたりし、演説終了後には立ち上がって手に持っていた原稿を見せるように前に出し、引き裂いてみせた。

 11月に大統領選挙を控えた米国の二極化を完璧に表すかのように、共和党議員らが立ち上がっての喝采を繰り返した一方、民主党議員らは席に座ったままで、しばしば無言を通した。

 それでもトランプ氏は、勝ち誇った様子で「偉大なる米国の復活」をアピール。演説の多くは経済政策の成果や、「アメリカ・ファースト(米国第一)」の主張で占められた。野党からは環境を損ねている上に富裕層優遇であると非難されている規制緩和や減税といった政策については、経済における「比類なき成功」に貢献したと強調した。

 さらに演説では「私以前の多くの大統領とは異なり、自分は約束を守っている」とも主張。自身が有権者に対する責任を全うしたとする例として、北米貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」や中国との貿易協定、多額の軍事支出、不法移民の流入を止めるための「前例のない」対策、「中東での米国の戦争を終わらせる」取り組みを挙げた。

 また、演説には南米ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の退陣を求める同国の野党指導者フアン・グアイド(Juan Guaido)氏も招かれた。

 映像は4日撮影・提供。(c)AFP