【2月4日 CNS】新型コロナウイルス流行の拡大を食い止めようと、先月23日に武漢市(Wuhan)を出る便が運行停止されて以来、一部の台湾人は仕事と家庭のため早く台湾に帰ることを願っていた。そして3日夜、第1陣の200人が東方航空のチャーター便で台湾に戻った。

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 同日午後4時過ぎ、武漢市の各区から台湾へ帰郷する人を乗せた専用バスは、次々と武漢天河空港(Wuhan Tianhe International Airport)第3ターミナルに到着した。すべてのバスには医療関係者と消毒員が同乗した。

 台湾に戻る王毅(Wang Yi)さんは、「心配はしていましたが、怖がることはなかったです」と話し、「多くの台湾の人々は武漢の状況に心を寄せ、さまざまなルート経由で物資を送っています。米国の台湾人も寄付をしています。みんな家族みたいなものではないですか」と語った。

 湖北省出身の劉玉瑩(Liu Yuying)さんは、先月18日に里帰りで武漢に入ったが、その5日後に「封鎖」となったため滞在し続けてきた。子ども2人を連れて台湾に戻る劉さんは「子どもの学校が始まるので、早めに帰りたいのです」と話し、「武漢頑張れ!と言いたいです」と続けた。

 武漢の会社との契約でD.J.の仕事に携わる宋弘德(Song Hongde)さんは、ウイルスの感染拡大で先月23日に会社が営業停止となり、その後は自宅で過ごしてきた。2019年10月から武漢に滞在している宋さんは「台湾も以前SARSを経験していますから、マスクやアルコール消毒やなるべく外出を避けることなど、どんな対応をしなければいけないか、みんな分かってますよ。でも、怖がらないかというと、それは不可能ですね」という。

 武漢に残って越冬を決めた武漢市台資企業協会の蕭永瑞(Xiao Yongrui)会長に電話取材をすると、「武漢滞在中の台湾籍の人々は、各方面で手厚い配慮をしていただいており、大部分の人は落ち着いています。電気も水道もガスも来ているし、スーパーもいつも通り営業しているので、生活をすることに問題ない。台湾資本の中小企業を経営している人のほとんどは帰らないでいますよ」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News