【2月4日 AFP】フランス政府の年金制度改革に抗議するストライキで運休していた鉄道はようやく運転を再開しそうだが、改革への反感がくすぶる中、首都パリではごみ収集作業員らのストによる影響が出始めている。

 ストの影響でこの10日間、パリのごみを処理している焼却施設7か所のうち6か所が稼働を停止。いくつかの地域では路上のごみ箱があふれ通行を妨げるほどになっている。

 近年、パリの公園ではネズミが大量発生し、当局は対応を迫られている。そうした中、ごみがあふれた市街では公衆衛生上の懸念が持ち上がり、多くのパリ市民が不満を訴えている。

 高級住宅地として知られるパリ16区のある住民はAFPの取材に対し、「ストライキ、ストライキ、ストライキ…これでは住んでいられない!」と述べ、「心配なのは、小さなネズミがやすやすと道路に出てくることだ。まるで(ネズミの)オープンバーみたい!」と嘆いた。

 南部の港町マルセイユ(Marseille)でも、労働者らが10日にわたってごみ処理施設を封鎖。路上に約3000トンのごみが放置されているという。市当局は労組などに対し、最低限のごみ収集を行うよう要請。住民には路上に直接ごみを捨てないよう呼び掛けた。

 年金制度の一本化を進めているエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)政権は、公共部門の職員を中心に適用されている早期退職制度の撤廃を目指している。しかし、ごみの収集作業員らは、自分たちの寿命はフランス人の平均よりも7年短いとして、早期退職制度の継続を求めている。(c)AFP/Sandra BIFFOT-LACUT and Guillaume BONNET