【2月3日 AFP】香港で3日、新型コロナウイルスの流行阻止を目的とする中国本土との境界閉鎖を求め、医療関係者数百人がストライキに突入した。要求が受け入れられない場合、医師と看護師を含む最前線で働く人々もストに加わる構えを示している。

 香港ではこれまでに15人の感染者が確認されている。多くは中国本土で新型コロナウイルスに感染してから香港に入った人々だ。

 親中派の香港政府が本土との境界の完全閉鎖に抵抗していることから、補助的な業務に携わる医療関係者がストに踏み切った。

 香港の各当局は境界の完全閉鎖について、差別的で経済への打撃となる上、世界保健機関(WHO)の勧告にも反すると主張。代わりに出入境検問所の一部を閉鎖を実施し、本土からの人の流入が激減したと説明した。

 しかし香港では、2003年に中国政府によって当初隠蔽(いんぺい)されていた重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスの流行で300人近くが死亡した経験から本土への不信感が根強く、市民の怒りが高まっている。

 新たに設立された医療関係者らによる労働組合、医管局員工陣線(HAEA)の組合員数千人は1日、本土との境界閉鎖という要求が受け入れられなければ、ストに突入すると決議。第1陣は3日にスト入りすることになった。

 第1陣は補助的な業務に携わる医療関係者だが、同組合によると、要求が受け入れられない場合、医師と看護師を含む最前線で働く人々も4日にスト入りするという。

 約9000人の組合員を抱えるHAEAのウィニー・ユー(Winnie Yu)会長は報道陣に対し、「境界を完全閉鎖しなければ、感染拡大に対処するための人員と保護具、隔離部屋が足らなくなる」と訴えた。

 HAEAによると、香港政府の交渉が行われたが、林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官が協議に出席しないことが判明し、2日に決裂した。

 香港政府はストを非難し、参加者らに対して「考え直し、プロ意識を持って引き続き香港を守り、力を合わせてウイルスとの闘いに勝利しよう」と訴えた。(c)AFP