黒いゴミ袋を担いでいかにも地域美化活動を行っているであろう少年は、ゴミの泉で立ち竦んでいた。こういう活動は私も行ったことがある。だが、私の活動の理念とこの少年の理念には雲泥の差があるような気がする。私は「街をきれいに」というつもりで活動していた。しかし少年に話を聞いてみると「ゴミの中から『宝探し』をしているんだよ。宝を家に持ち帰ってお母さんに褒めて貰うんだよ。」という言葉が帰ってきた。もちろん少年とは話していない。写真を観ている間に私がストーリーを作ってしまったのである。私がいつもゴミとして捨てているものが、少年にとっては宝かもしれないということに気づかされてしまったのだ。少年のゴミに対する想いを仮定してしまった事により、私は恵まれた環境だったことが分かったことが、私にとっての宝だった。


[私立駒場学園高等学校 R.H.]