【2月1日 AFP】科学者たちが新型コロナウイルスのワクチン開発を急ぐ中、インド当局は先月29日、ホメオパシー(同種療法)や「アーユルベーダ」による古来の治療法が解決策となり得るとの見解を示した。

 同国で人気が高まっているヨガや自然療法、ホメオパシーを推進する伝統医学省は、頭皮にすり込むことで症状を緩和するとしたハーブオイルのリストを公表。またホメオパシーの治療薬である「アーセニカム・アルバム30(Arsenicum album-30)」の服用も推奨した。

 伝統医学省は、「新型コロナウイルスの感染がまん延した場合に備え、服用の1か月後には同じスケジュールで服用を繰り返す必要がある」と説明。またウイルスの拡散を防ぐため、個々人で清潔さを保つようアドバイスした。

 同省の勧告に先立っては、インド・ダラムサラ(Dharamsala)に亡命しているチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世がフェイスブック(Facebook)への投稿で、ウイルスを懸念する信者たちはこの状況に対処するのに「役立つ」呪文を繰り返し唱えるべきと主張していた。

 インドではがんから通常のかぜに至るまで、あらゆるものに対応する自然療法があると主張されており、同国政府は近年、数十億ドル規模という世界的なホリスティック医薬品市場の恩恵を享受しようと、伝統療法を促進する運動に乗り出している。

 サンスクリット語で「生命の科学」を意味するアーユルベーダ医学は、ヨガやマッサージと結び付けてハーブを処方するなどし、身体的、精神的な病気の元を治癒しようとする。

 また伝統医学省によると、微量の服用量で処方される代替薬で病気を治療するホメオパシー療法は、インドの人口約13億人のうち、約10%の人々にとって主要な医療法として利用されている。(c)AFP