【2月1日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)のロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)は31日、チームの象徴的存在だったコービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏を追悼し、全体を代表してスピーチに臨んだレブロン・ジェームズ(LeBron James)は「忘れない」と飾らないメッセージを送った。

 レイカーズはこの日本拠地ステープルズ・センター(Staples Center)にポートランド・トレイルブレイザーズ(Portland Trail Blazers)を迎え、1月26日のヘリコプター墜落事故でブライアント氏と同氏の娘ジアナ(Gianna Maria-Onore Bryant)さんら9人が亡くなってから初めての試合に臨んだ。

 試合はダミアン・リラード(Damian Lillard)が48得点、9リバウンド、10アシストをマークしたトレイルブレイザーズが127-119で勝利したが、この日において結果はささいなことだったように映った。

 試合前には追悼セレモニーが行われ、会場の照明が落とされる中で、天井からつるされたブライアント氏の背番号8と24のユニホームに紫色のスポットライトが当てられた。また、コートサイドの二つの椅子には同氏とジアナさんに哀悼の意を表して赤いバラの花束が置かれていたほか、コート上には黄色いバラで描かれた背番号8と24の大きなフラワーアレンジメントが飾られた。

 その後、チームを代表してスピーチをするために登場したジェームズは、ロサンゼルス郊外で発生したヘリコプターの墜落事故で亡くなった9人の名前を静かに読み上げた。さらに、この先ブライアント氏の追悼行事が執り行われることになるものの、今夜は同氏が2016年に引退するまでレイカーズ一筋で過ごした20年のキャリアと人生の「セレブレーション」と捉えていると語った。

「これは20年間の血と涙と汗、ぼろぼろになるまで戦った体、成長と挫折といったすべてを祝うもの。数えきれない時間を費やし、最高の自分になろうとした努力を」「今夜は18歳でここに来て、38歳で引退し、そしてこの3年間は最高の父親となった少年をたたえたい」

 そして最後には、ブライアント氏が自身のニックネームである毒ヘビの「ブラックマンバ(Black Mamba)」にちなんで話した引退の言葉を引用し、「コービーは『マンバアウト(マンバは去る)』と言った。だけど、自分たちは『忘れない』と言おう。生き続けてくれ、ブラザー」と締めくくった。

 この日のステープルズ・センターでは、コートにKBのロゴが描かれるなど至る所にブライアント氏のシンボルが刻まれていたほか、レイカーズの選手紹介では全員が「ローワー・メリオン高校(Lower Merion High School)出身、背番号8、コービー・ブライアント」とコールされた。

 ジェームズは自分のロッカーの隣にある、ブライアント氏がレイカーズに5度のタイトルをもたらした現役時代に使用していたロッカーに背番号24のユニホームを掲げて、この日の試合に備えていた。(c)AFP