【2月1日 AFP】英国が欧州連合(EU)を離脱した1月31日夜、離脱派が多数を占め、欧州懐疑主義の中心地とされる英イングランド北部モーリー(Morley)では、英国歌「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン(God Save the Queen)」が大音量で流され、花火が打ち上げられる中で市民らが離脱を祝った。

 モーリーでは、2016年の国民投票でEU離脱(ブレグジット、Brexit)の支持票が60%近くに達した。31日は多数の市民が、ライブ音楽やスピーチ、午後11時(日本時間2月1日午前8時)に迎える正式離脱のカウントダウンに参加した。

 学生のジョシュア・スペンサー(Joshua Spencer)さん(25)は「2016年から待ち続けてきた」と、英国旗を肩に掛け、ビールを手に語った。スペンサーさんは、最大の貿易相手であるEU単一市場から離脱する英国の経済的な先行きについては、懸念は少々あると認めながらも、「英国の自由を再び築けることがうれしい」と述べた。

 モーリーはイングランドでも有数の愛国的な町で、4月の国民の記念日「聖ジョージの日(Saint George's day)」には大規模な祝賀式典を予定している。

 ブレグジットは英社会の深刻な分断を露呈させ、国はいまだに分裂したままだ。モーリーにある教会の牧師クリス・フロスト(Chris Frost)さん(37)は、決着が付いたことで何らかの区切りが付くことを期待している。

「友人間でさえも、さまざまな対立が引き起こされた。今は安心感が生まれていると思う」とフロストさんは言う。「自分たちが票を投じたことについて人々が祝福できることを、非常にうれしく思う」 (c)AFP/Pauline FROISSART