【2月2日 AFP】ドイツ東部の都市を取り囲む、コンクリート製の巨大な高層集合住宅「プラッテンバウ(Plattenbau)」は、今も共産主義時代を思い起こさせる。芸術作品というよりも目ざわりな存在として見られることの多いこの景色を変えようと、新たなプロジェクトが挑んでいる。

 この新しい都市文化プロジェクトが始動したのは、首都ベルリンの南西170キロに位置する都市ハレ(Halle)。建築上の過ちを不朽の名作に生まれ変わらせることで、社会的なつながりを促そうとしている。

 プラッテンバウの一つの側面を彩るのは、立体的で色鮮やかな壁画だ。青空を背景に、木製のはしごを使って衛星のような形の宇宙船から降り立つ1人の宇宙飛行士と、そのはしごを支える2人の男性が描かれている。晴れ上がった日には、壁が消えてしまったかのような錯覚を見る人にもたらす。

 700万ユーロ(約8億4000万円)規模のこのプロジェクトは、同地区を担当する住宅協会HWGに委託されている。4棟の集合住宅の壁、計8000平方メートルを塗り替えるという。

 映像は2019年8月撮影。(c)AFP/Isabelle LE PAGE