【1月31日 AFP】新型コロナウイルスによる肺炎の発生地、中国・武漢(Wuhan)で30日、マスクを着けた白髪の男性が、買い物袋を片手に提げたまま路上に倒れているのを、現地で取材に当たっているAFP記者らが目撃した。男性は亡くなっていた。

 人口1100万人の工業都市である武漢の通りは、普段は混雑している。しかし現在交通が遮断されており、付近には数人の通行人しかおらず、倒れた男性のそばには誰も近寄ろうとしなかった。

 AFP記者らが男性の遺体を目撃したのは30日朝。程なくして、全身防護服を身に着けた警察と医療関係者らを乗せた緊急車両が到着した。

 AFPは、60代とみられるこの男性がどのように亡くなったかは確認できていない。後に警察と地元保健当局に問い合わせたが、詳しい情報は得られなかった。

 ただ、防護服を着た警察や医療関係者ら、そしてその場に居合わせた数人の市民の反応からは、武漢に広がる恐怖心が表れていた。

 近くにいた女性は、男性の死因は新型ウイルスだと思うと言い切り、「ひどい。ここ数日で多くの人が亡くなった」と語った。(c)AFP/Leo RAMIREZ and Sebastien RICCI