【2月1日 Xinhua News】朝晩2回の体温検査は何があっても実施される。日本人住民、坂井さん宅の玄関先に、上海市長寧区疾病予防抑制センターの専門医療スタッフが毎日定時に現れる。坂井さんは「不安はありません。ここの予防・抑制措置はとても行き届いていますから。日本にいるのと変わりない対応です」と語る。

 上海市外国専家局の統計データによると、同市で働く外国人の数は20万人を超える。今年の春節(旧正月、Lunar New Year)時期、上海市は他の中国主要各都市と手を携え、新型コロナウイルスの感染による肺炎の拡大と闘っている。春節前に武漢(Wuhan)出張から上海に戻った坂井さんは、自主的に自宅隔離をしており、家族も理解してその措置に協力している。

「ありがとうございます。おかげで安心して、落ち着いて過ごせています」。坂井さん一家は上海市長寧区虹橋街道栄華居民区に暮らしている。ここ数日、専門医療スタッフの体温検査以外に、社区(コミュニティー)のボランティアが微信(ウィーチャット、WeChat)や電話であれこれと気遣ってくれている。

 この居民区は「小さな国連」の別名を持つ。2.02平方キロの敷地に42のミニコミュニティーがあり、50以上の国・地域から来た外国人と中国人が暮らしている。住民数は3万2千人を超え、そのうち1万6千人以上いる外国人住民の多くを日本人と韓国人が占めている。

 新型コロナウイルスによる肺炎が流行し始めた時、さまざまな国や地域出身の住民に速やかに「取るべき行動を理解してもらう」ために、社区の外国籍ボランティアが率先して乗り出した。栄華居民区のデイビット・ポッターさんは、自発的に「感染予防抑制通知書」の翻訳を引き受けた。ポッターさんは中国語版を何度となく読み込み、英語版に翻訳すると社区に掲示した。

 上海在住の外国人ネットユーザーたちもまた、上海市民と共に感染との闘いに臨んでいる。動画配信サイト嗶哩嗶哩(ビリビリ、bilibili)の投稿者であるドイツ出身の「阿福トーマス」さんは、ドイツの専門家とのビデオ対話を通じて、ウイルス感染の予防と抑制に関するちょっとした常識を紹介し、人々への啓発を行っている。(c)Xinhua News/AFPBB News