【1月31日 AFP】米国モータースポーツの名門一家の一員で、同国ストックカーレースのNASCARシリーズなど数々のレースで才能を発揮したジョン・アンドレッティ(John Andretti)氏が、結腸がんにより56歳で死去したことが判明した。アンドレッティ・オートスポーツ(Andretti Autosport)が30日に発表した。

 アンドレッティ・オートスポーツはコメント文で、「彼は懸命に闘い、病気が奪い去った日々を取り返した」「適切な検査を受けるように、数え切れないほどの人々を励まして人々の命を救った」「自分のことは二の次にして、他人を優先するというジョンの誠実な精神を、われわれは永遠に引き継いでいく」と述べた。

 1978年のフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で世界王者となったマリオ(Mario Andretti)氏のおいで、元レーシングドライバーでアンドレッティ・オートスポーツのオーナー、マイケル(Michael Andretti)氏のいとこであるアンドレッティ氏は、一家のビジネスであるレースに熱心に取り組んだ。

 現役時代には17シーズンにわたりNASCARに参戦して393レースのうち2レースを制し、合計37回のトップ10フィニッシュを記録したアンドレッティ氏は、インディカーシリーズのインディアナポリス500(Indianapolis 500)に通算12回挑戦し、1991年にはキャリア最高の5位でチェッカーフラッグを受けた。

 キャリア初期には耐久レースに参戦し、1989年にはデイトナ24時間レース(Rolex 24 At DAYTONA)などで2勝をマーク。1994年には同じ日にインディ500とノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)で開催されたNASCARの600マイルレースに出走した史上初のドライバーとなった。

 アンドレッティ氏は2017年に結腸がんのステージ4と診断された後、ソーシャルメディアを利用してかつては自分も避けていた結腸鏡検査を奨励する活動を行っていた。化学療法を終えた2018年3月には検査で異常なしだったとツイートしていたが、2019年3月29日にはがんが再発して転移していたことが判明したと公表した。

 米国モータースポーツの統括団体である国際モータースポーツ協会(IMSA)のジョン・ドーナン(John Doonan)会長は、「彼はインディカーやNASCARで勝利を記録し、ドラッグレースでも最高峰のカテゴリーに到達するなど、史上最も多才なレーサーの一人だった」と述べた。(c)AFP