【1月30日 AFP】中国で新型コロナウイルスの感染が拡大している問題を受け、各国の航空会社は29日、中国発着便の運航を停止する措置を相次いで講じた。同国での死者は132人、感染者は6000人余りとなっている。

 大手ではまず、英航空会社ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)が、英外務省の渡航勧告を理由に中国発着便の運航停止を発表。続いて、欧州大手の独ルフトハンザ航空(Lufthansa)も、中国本土行きの全便の運航を2月9日まで停止すると発表した。

 保有機数が東南アジアで最多のインドネシア・ライオン航空(Lion Air)は、2月1日から中国発着便の運航を停止すると表明。ミャンマーとネパールの航空会社もこれに続いた。

 一方、中国の重要な貿易相手国であるカザフスタンは、中国市民に対する査証(ビザ)発給を停止。国境を越える鉄道旅客輸送や航空便の運航を停止すると発表した。パプアニューギニアでは特に厳しい措置が講じられ、アジアからの旅行者の入国が禁止された。

 また各国の政府は、隔離措置がとられている流行の中心地、武漢(Wuhan)に取り残された自国民の避難を開始している。29日には武漢から206人の日本人が帰国。うち12人が体調不良やインフルエンザに似た症状を訴え、検査のため入院した。米英独など、自国民に中国への不要な渡航を自粛するよう呼び掛ける政府の数も増えている。(c)AFP/Sébastien RICCI