【1月30日 AFP】フランスの裁判所は28日、野生の高級キノコを森で大量に収穫する集団を組織したルーマニア人2人に、500ユーロ(約6万円)の執行猶予付き罰金刑を言い渡した。森では1人当たりの収穫量が当局により厳しく制限されていた。

 22歳と60歳のルーマニア人の被告2人は昨年10月、東部オートソーヌ(Haute-Saone)県でルーマニア人約40人からなるグループを率いて「ポルチーニ」として知られるヤマドリタケ計約266キロを収穫した罪で起訴された。いずれも起訴内容を認めている。

 高価なヤマドリタケは毎年数週間のみ収穫が可能で、フランスをはじめ世界各地の食通に人気がある。オートソーヌ県では毎年、自然環境での収穫を持続させる目的で、収穫量は1人に付き5キロに制限されている。

 ヤマドリタケは秋の収穫シーズン中、市場の店で1キロ当たり30ユーロ(約3600円)以上で取引されることもあるが、グループを率いた被告2人が採集した人へ支払っていた額は1キロに付き3ユーロ(約360円)だった。地元検察官はAFPに対し、困窮した人々を「巧みに利用」した組織のトップを見つけるため、人身売買を視野に捜査を始めたと述べた。

 押収されたキノコはフードバンクなど慈善団体に寄付されたという。(c)AFP