【1月29日 AFP】中国・武漢(Wuhan)を中心に感染が拡大している新型コロナウイルスをめぐり、デンマークの日刊紙ユランズ・ポステン(Jyllands-Posten)が中国国旗の星を新型ウイルスの形に描写した風刺画を掲載した。在デンマーク中国大使館は抗議しているが、同紙は謝罪要求には応じない姿勢を示している。

 問題となっているのは27日にユランズ・ポステンに掲載された風刺画で、在デンマーク中国大使館は「中国に対する侮辱」「中国国民の気持ちを傷つけるもの」と非難。風刺画が「表現の自由の倫理的な一線」を越えていると主張し、同紙と作者のニールス・ボー・ボイスン(Niels Bo Bojesen)氏に「過ちを自らとがめ、中国国民に公式に謝罪」するよう要求した。

 ユランズ・ポステンのヤコブ・ニーブロエ(Jacob Nybroe)編集長は28日、中国の状況をからかうなど「思いもよらぬ」ことだと釈明した一方、謝罪については拒否。

 ニーブロエ氏は「間違いだと思っていないことについて謝罪することはできない。侮辱やからかいの意図はなく、例の描写がそうしているとも考えていない」とのコメントを発表した。

 デンマークの複数の政治家もユランズ・ポステンの姿勢を支持しており、現地紙ポリティケン(Politiken)は「デンマークには表現の自由がある。絵を描く自由もある」とのメッテ・フレデリクセン(Mette Frederiksen)首相の発言を伝えている。(c)AFP