【1月29日 AFP】英国は28日、同国での第5世代(5G)移動通信網に中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ、 Huawei)の製品使用を限定的に認める方針を明らかにした。

 ただし英政府は、ファーウェイ製品の使用範囲から原子力施設や軍基地など機密情報を扱う場所を除外し、市場シェアも制限するとしている。

 一方、米国は英国に対し、ファーウェイの5G移動通信網参入を認めた場合、英国との機密情報の共有を限定すると警告してきた。ある米政府高官は、米政府は「英国の決定に失望している」と述べた。

 米国はファーウェイが中国政府の支配下にある可能性を懸念し、自国の5G移動通信網構築におけるファーウェイ製品の使用を禁止。ファーウェイ側は、米国の主張を強く否定している。

 英政府の決定に先駆け、ベルギー政府は欧州連合(EU)におけるファーウェイ製品の使用を限定的に認めたばかりだった。両政府はいずれも、5G通信の接続性向上を目指しており、5G通信部門におけるファーウェイの大きな優位性と、安全保障上の懸念とのバランスを取るための中間的な方法を模索している。

 英国は米国と異なり、ファーウェイの技術を過去15年間にわたり通信システム内で使用してきた。

 調査会社グローバルデータ(GlobalData)は、「英国は(ファーウェイ製品を)全面禁止すれば、膨大な費用を掛けて巨大なインフラ設備を崩さなければならず、5G通信展開を数年前まで巻き戻すことになっていた」と指摘。「ファーウェイ製品を完全に禁止することは、全く実用的な選択肢ではなかったというだけだ」と述べた。(c)AFP/Roland JACKSON