【1月29日 AFP】中国・武漢(Wuhan)で発生した新型コロナウイルスは世界各地に広がる一方で、世界の交流サイト(SNS)では根拠のないうわさが拡散している。

 AFPはSNS上で拡散しているうわさの一部を検証した。

■シドニーの食品は汚染されていない

 オーストラリアでは、新型コロナウイルス株に汚染された食品とそれらが発見されたとされるニューサウスウェールズ(New South Wales)州シドニー市内の住所が記載されたリストが、フェイスブック(Facebook)に複数投稿され、何百回もシェアされた。

 だが、地元の保健当局はAFPの取材に対し、リストに記載された住所を訪れた人が危険にさらされたという事実はなく、名指しされた食品もニューサウスウェールズ州当局による回収や監視勧告対象となっている食品リストには含まれていないと語った。

■でたらめな死者数予測

 スリランカでは、医師らが新型ウイルスによる死者数が、武漢の全人口に相当する1100万人に達する可能性が高いと予測しているとする投稿が何千回もシェアされた。

 これは偽情報だ。中国当局はそのような予測を立てていない。

 この投稿はまた、中国のコブラの肉を食べることで新型ウイルスに感染する可能性があると説明しているが、これについても立証はされていない。

■新型ウイルスは食塩水では死なない

 呼吸器専門医である中国国家衛生健康委員会(NHC)の鐘南山(Zhong Nanshan)氏が、新型ウイルスの感染予防のため食塩水で口をゆすぐよう勧めているとの投稿が、ツイッター(Twitter)やフェイスブック、中国版ツイッター「微博(ウェイボー、Weibo)」などでシェアされた。

 この投稿は偽情報だ。鐘氏のチームは生理食塩水では新型ウイルスを「殺せない」とし、医学的に不正確なネット上のうわさを信じたり、シェアしたりしないよう呼び掛けている。