【1月29日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の弾劾裁判は28日、民主党がジョン・ボルトン(John Bolton)前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を証人として召喚することを求める一方、共和党が対抗して今年11月の大統領選でトランプ氏の対立候補となる可能性がある民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領と息子のハンター・バイデン(Hunter Biden)氏の召喚を持ち出し、にらみ合う展開となった。

 トランプ氏は今年行われる次期大統領選でバイデン氏に対する勝算を高めるために、ウクライナに対し、軍事支援を見返りに圧力をかけて二つの調査を求めたとされる。一つはバイデン氏親子に関わる不正捜査、もう一つは2016年米大統領選でウクライナが民主党を支援したという偽りの陰謀説に関する調査だったとされている。

 民主党側は、トランプ氏がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領への圧力を強めるために軍事支援を2か月間凍結したとし、米国の選挙に不法に外国を巻き込んだと主張している。

 トランプ氏の弁護団は上院議員100人を前にした3日間の弁論で、これらの疑惑への追及から大方免れた。逆に、弾劾裁判は「政策の違い」に基づいたものであり、トランプ氏が問われている「権力乱用」と「議会妨害」は根拠が薄く、大統領解任に相当する行為ではないと主張した。