【1月29日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)などで活躍したシャキール・オニール(Shaquille O'Neal)氏が28日、元チームメートのコービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏がヘリコプターの墜落事故により死亡したことについて、かつては反目した時期もあったが、兄弟のような関係を築けていたと打ちひしがれた様子で語った。

 オニール氏は現役時代、ブライアント氏と共にレイカーズをファイナル3連覇に導きながら、同氏との亀裂が原因でチームを離れたが、緊張が解けた後はお互いに尊敬し合い、親交を深めていた。28日に公開された自身のポッドキャストで、オニール氏はショックで眠れず、食事も喉を通らず、20年前の二人の黄金時代の映像を見て過ごしていることを明かしている。

「俺たちは今も史上最高のコンビだ。それはこれからも変わらない」「調子は良くない。食べていないし、眠れない。テープをずっと見ている。今は気分が悪い」「つらい日々が続くだろう。俺には弟がいるが、その弟を失ってしまった」

 圧倒的なパワーでゴール下に君臨した「シャック」ことオニール氏と、驚異的な得点力を持つブライアント氏を擁したレイカーズは、2000年から2002年にかけてリーグ3連覇を達成した。その強さは、オニール氏も「俺たちはただ3連覇したんじゃない。3回圧勝した」「他のチームは相手にならなかった」と話すほどだった。

 しかし成功が積み重なるのに合わせて対立の火種も大きくなり、2000-2001シーズンには、コンディション不良で合宿に現れたオニール氏に対し、オフにも厳しい練習を積んできたブライアント氏が、だらけていると不満を見せた。ブライアント氏がレイプ容疑をかけられた2003年には、オニール氏が自分にもっとパスをまわせと示唆するようなことを言い、報道によれば一方のブライアント氏も、自分もオニール氏と同様、女性に金を渡して口止めしておけばよかったと発言した。

 ともにレイカーズ王朝の大黒柱だった二人が、どちらが中心かで争ったことで、魔法は消えた。そしてデトロイト・ピストンズ(Detroit Pistons)とのファイナルに敗れた2004年、オニール氏はトレードでマイアミ・ヒート(Miami Heat)に去り、一方でフリーエージェント(FA)になったブライアント氏はその翌日、レイカーズと再契約した。

 オニール氏は「4回目(のファイナル)で、ああいうことになった。みんな傷つき、いろんな選手がチームを離れた。王座をつかめなかった」「変化が必要だった」と話す一方で、こうも続けている。

「起こったことは変えられない」「悪い面ばかりを見ようとする人も多いが、レイカーズファンなら、チームの計画が完璧にうまくいったことを理解しているはずだ。3連覇したんだから」「何も勝ち取れていなかったら、もっとひどいことになっていたはずだ」

 その後、オニール氏はヒートでドウェイン・ウェイド(Dwyane Wade)氏と共に2006年のファイナルを制したが、ブライアント氏は2009年と2010年にタイトルを獲得して優勝回数で上回った。5回目の優勝の意味を問われたブライアント氏は、「シャックより一つ多いというだけさ」と答えている。

 しかし、オニール氏が2011年、ブライアント氏が2016年に現役を退く中で、二人の関係は時間とともに修復されていき、オニール氏はブライアント氏を「史上最高のレイカー」と呼び、ブライアント氏も2013年には「お互いに尊敬し合い」、「本当に良い関係」を築けていると話すまでになっていた。(c)AFP