【1月28日 AFP】女子テニスのレジェンドとして知られるマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏と男子の名選手ジョン・マッケンロー(John McEnroe)氏が27日、四大大会(グランドスラム)で歴代1位となる通算24回の優勝を誇り、年間グランドスラムを達成した史上5人のうちの一人であるマーガレット・コート(Margaret Court)氏の「同性愛差別的」見解をそろって批判した。

 敬けんなクリスチャンである77歳のコート氏がかなり保守的な思考を持っていることについて、ナブラチロワ氏が「人々に実害をもたらしている」と反発する一方で、同じ米国籍を持つマッケンロー氏は、オーストラリアの伝説的選手を「頭がいかれたおばさん」と呼んだ。

 全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)ではこの日、コート氏が1970年に年間グランドスラムを達成してから50周年を記念するセレモニーが行われ、ロッド・レーバー・アリーナ(Rod Laver Arena)では会場名の由来となったロッド・レーバー(Rod Laver)氏から大会女王に贈られるトロフィーのレプリカがコート氏に授与された。

 観客席7500を誇るマーガレット・コート・アリーナ(Margaret Court Arena)が隣接するロッドレーバー・アリーナに映し出されたトリビュート動画の中で、コート氏は「私に関しては、あなたが見ていることがすべて」と述べた。

 現役を退いてから牧師としてオーストラリア西部のパース(Perth)に拠点を置いているコート氏は、人種や同性愛者に関する見解でしばしば物議を呼んでいる。以前には南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策を称賛したり、テニス界は「レズビアンだらけ」と発言したり、トランスジェンダーの若者を「悪魔の仕業」と称したりしたこともあった。

 オーストラリアテニス協会(Tennis Australia)は、コート氏の年間グランドスラム達成の記念式典を開催することには合意しながらも、「ここ数年にわたり、われわれのコミュニティーを侮辱し、傷つけているコート氏の個人的見解には賛成できない」と強調した。

 一方、マッケンロー氏はユーロスポーツ(Eurosport)に向けた動画で、「マーガレット・コート氏が達成した偉業のリストより長いものが一つだけある。それは、彼女の攻撃的かつ同性愛差別的な発言の数々だ」と訴えた。

 また、現在グランドスラム通算23勝のセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が、コート氏の記録を更新することを期待しているとし、「セレーナ、お願いだ。今年中にあとグランドスラムで2勝して通算25勝目をマークしてくれ。そうすれば、マーガレット・コート氏とその攻撃的な見解を、彼女が生きている過去のものにできる」と述べた。(c)AFP/Talek HARRIS