【1月28日 AFP】米食品大手ケロッグ(Kellogg)は27日、オート麦や小麦製品の流通過程における除草剤グリホサートの使用を2025年までに段階的に廃止する目標を定めたと発表した。

 シリアルの「コーンフレーク(Corn Flakes)」や菓子製品「ポップタルト(Pop Tarts)」など朝食用食品を製造するケロッグは公式サイトで、自社で所有・運営している農場はないが、一部の供給業者が「特に小麦やオート麦の収穫前に数週間使用する乾燥剤」としてグリホサートを使用していたと説明。「同除草剤の使用はわが社の小麦やオート麦の供給過程で広範囲に行われていたわけではないが、供給業者とともに2025年の終わりまでに、米国を含む主要市場でのグリホサートの使用を段階的に廃止するよう努力している」と明かした。

 ケロッグの最高サステナビリティ責任者(CSO)、エイミー・センター(Amy Senter)氏は、農薬使用に関しては2017年以前から供給業者と協力してきたとし、「この問題について今後も引き続き科学的側面、規制、消費者の志向を積極的に注視していく」と述べた。

「ラウンドアップ(Roundup)」の商品名で販売されているグリホサートをめぐっては、訴訟が続出している。発がんや健康被害の訴えを受け、米国の複数の裁判所は原告側に対し、後に減額されたものの莫大(ばくだい)な損害賠償の支払いを命じた。だが、ドイツ製薬大手バイエル(Bayer)は依然、グリホサートは安全だと主張している。

 これまでグリホサートの含有量が高いとされた人気のシリアルや食品の委託検査を行ってきた環境保護団体エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(Environmental Working GroupEWG)は、今回のケロッグの動きを称賛している。(c)AFP