【3月2日 AFP】フランス・パリで1月開催されたファッションウィークは、ファッション業界が自らを気候変動との闘いの最前線にいると位置付けていることを表していた。

 例えば、米ハリウッドの人気ブランド「ルード(Rhude)」のショー会場には終末論的な警告が響き渡った――「母なる地球が生命を支えられなくなれば、私たちは息ができなくなる…私たちが心と体をオープンにしなければ、終わりだ」

 だが、ルードのデザイナー、ルイージ・ビラセノール(Rhuigi Villasenor)氏にAFPが質問したところ、同氏は自身のコレクションに持続可能なものはないと認めた。会場で流れた感動的なスピーチはショーの前日にインターネットで見つけたもので、誰の言葉なのか分からないと述べた。

 しかし、ビラセノール氏は自身のブランドは「永遠」であり、「時代や流行を超えて生き続ける」と主張している。

 活動家らは、ファッション業界ではこのような「グリーンウォッシング(環境に配慮しているように見せかけること)」が当たり前のようになっており、持続可能性について「語りはするが口先だけで、行動は起こさない」と批判している。

 ルードは、ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)さんらスターを顧客に持つ若者に人気のファッションブランドだ。だが、有名な高級ブランドの中にもデザイナーが変化を求め活動しているにもかかわらず、口先だけだと思われるような行動をとっているブランドが存在する。

 ディオール(Dior)はレディースのショーで、エコをアピールした。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん風のおさげ髪のモデルたちは、環境に配慮した麻やラフィアをふんだんに使った服を着て本物の木々の間を歩いた。この木はショーの後、都会の公園に植林された。

 デザイナーのマリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)氏はAFPに対し、「生き残りたければ、人間は(自然と)共存しなければいけない」と語った。