【1月28日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、ロサンゼルス・レイカーズ(Los Angeles Lakers)の元スーパースター、コービー・ブライアント(Kobe Bryant)氏(41)と共にヘリコプターの墜落事故で亡くなった同氏の娘ジアナ(Gianna Maria-Onore Bryant)さん(13)は、生前に父親の輝かしいレガシーを受け継ぐ可能性を示していた。

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 ブライアント氏は妻のヴァネッサ(Vanessa)さんとの間に4人の娘をもうけたが、中でも次女のジアナさんについては以前、バスケットボールのコートで「異彩」を放っていたと話していた。

 17歳の長女ナタリア(Natalia)さんはバレーボールに興味があり、三女ビアンカ(Bianka)ちゃんは3歳、四女カプリ(Capri)ちゃんは昨年生まれたばかりであることから、ブライアント氏のバスケットボールへの期待はジアナさんに注がれていた。

 ブライアント氏は2018年に米人気テレビ司会者ジミー・キンメル(Jimmy Kimmel)氏のトーク番組に出演した際、ジアナさんについて「彼女の動きや表情には驚かされる。遺伝の力は驚異的だ」と語っていた。

「最高だったのは、一緒に出掛けたときのことだ。ファンの人たちが寄ってきて、娘が私の隣に立っていると人々は『男の子をつくらないと。あなたとV(ヴァネッサさん)は男の子をもうけないとだめだ』と言ってきた。自分の歴史やレガシーを引き継ぐ誰かが必要だとね。そうしたら彼女(ジアナさん)が『私がやるよ』と答えたんだ。それで私も『そうだ』『そう、お前はできる』と言ったんだ」

 ジアナさんはバスケットボールの大ファンで、米ロサンゼルスのステープルズ・センター(Staples Center)で大好きなレイカーズや、米女子プロバスケットボール協会(WNBA)のロサンゼルス・スパークス(Los Angeles Sparks)の試合を父親と一緒に観戦する姿がよく写真に撮られていた。

 また、カリフォルニア州ニューポートビーチ(Newport Beach)にある一家の大豪邸のジムで父親とよく練習をしたり、時間が許すときはジアナさんが所属する高校のチームで、ブライアント氏が誇らしげにコーチを務めたりすることもあった。

 父親のニックネーム「ブラックマンバ(Black Mamba)」にちなみマンバチーム(Mamba Team)と命名されたチームに所属していたジアナさんは、ロサンゼルス郊外で行われる大会への移動中、今回の墜落事故に遭遇。一緒に乗っていたチームメートの一人も命を落とした。

 ジアナさんはすでに自分の将来を綿密に計画しており、女子バスケットボールの名門として知られるコネティカット大学(University of Connecticut)への進学を目指していた。当然のことながら、ほかの少女たちには夢でしかない環境にも恵まれ、父親の元代理人であるロブ・ペリンカ(Rob Pelinka)氏から、バスケットボールのスター選手や指導者を紹介されていた。

 ブライアント氏のレイカーズ時代のチームメートで、現在はスパークスのヘッドコーチ(HC)を務めているデレック・フィッシャー(Derek Fisher)氏は、ジアナさんが父親の勝利への執念を受け継いでいることに気付いていたといい、「二人の振る舞いや性格は似ている」と話していた。(c)AFP