【1月29日 Xinhua News】四川省(Sichuan)人民病院はこのほど、同省初となる社会医療保険カードによる支払いに画期的で先進的なテクノロジーを利用した「指静脈認証決済」システムを導入した。事前に指静脈情報を登録しておけば、診察後は会計のために列に並ぶ必要はなく、診察室で専用の機器に指の静脈情報を読み取らせるだけで支払いを済ませられる。

 同病院医学情報センターの雷舜東(Lei Shundong)チーフエンジニアは「静脈は体の内側にあるので複製や盗用のリスクが低く、また生体組織を使った技術のため偽造の心配がない。年齢や生活環境、仕事、心理的要因の変化に伴って変わることもないため、目下、最先端の次世代生体認証技術」と説明する。

 雷氏によるとこの技術は、静脈を流れる還元ヘモグロビンが近赤外線を吸収できるという性質を利用し、近赤外線を指に当てて小型近赤外線カメラで指を撮影し、静脈パターンの画像を取得する。この画像を使った個人認証は高精度かつ高速で、医療保険カードを使った支払いが数秒で完了する。

 同病院は引き続き、院内の全外来診察室にこのシステムを導入するとともに、四川省と成都市(Chengdu)の医療保険部門の指導の下、ゆくゆくは医療保険カードを利用する患者の入院費用の支払いをベッドサイドで「指決済」できるようにするという。(c)Xinhua News/AFPBB News