【1月27日 AFP】インド政府は27日、累積債務に苦しむ国営航空エア・インディア(Air India)の全株式を売却する方針を明らかにした。

 エア・インディアは80億ドル(約8700億円)以上の赤字を抱え、給与支払いや燃料購入さえ困難な状況にある。当局は先ごろ、売却先が見つからなければ運航を停止せざるを得ないと警告していた。

 民間航空省は27日、政府保有の全株式を売却する入札の詳細を発表。第1回入札募集締め切りを3月17日に設定した。同省によると、入札希望者はエア・インディアの債務のうち約32億6000万ドル(約3550億円)を引き受けなければならない。

 政府は2018年、エア・インディア株の76%を売却する計画を進めていたが、買い手が付かず頓挫(とんざ)していた。

 1932年設立のエア・インディアは、かつてはインド唯一の航空会社で「空のマハラジャ(大王)」と呼ばれ親しまれた。だが、世界一高い成長率を誇る一方で価格競争が最も熾烈(しれつ)なインドの航空市場で、格安航空にシェアを奪われ、10年以上経営不振が続いている。(c)AFP