自動車界の森羅万象をまるごと飲み込むかのような進化を見せる東京オートサロン。旧来的なモーターショーが衰退の一途を辿るのに対して、貪欲に「なんでもござれ」のスタンスを取る東京オートサロンは、ますます盛況だ。
スタティックな車両展示を主体とするモーターショーでは異例といっていいイベントだ。ここへ出展する量産自動車メーカーは増える一方である。
そんな東京オートサロンで主役のひとりとなったのが、トヨタがここを発表の場に選んだ『GRヤリス』だった。
2017年に久々に世界ラリー選手権にワークス復帰して以来、チャンピオンを争うトップ・コンテンダーであり続けているトヨタが、次期参戦車両のベース・モデルとして開発したのがこのクルマだ。
いわゆるホモロゲーション・モデル(連続する12カ月間に25000台以上を生産)である。プラットフォームは欧州仕様ヤリスのそれに手を加え、3ドアの専用ボディとして剛性を強化し、合わせて空力特性を優先した専用形状とするなど、まさにホモロゲーション取得用のスペシャル・マシンと呼ぶに相応しいものとなっている。
サスペンション・システムも前後ともに専用設計だ。エンジン・フード、リアゲート、ドアはアルミ製、ルーフはSMC成形CFRP製とするなど軽量化にも抜かりはない。
実際にラリーを走るWRカーはボディの基本構造を残して、何もかもが専用開発されるものだから、ホモロゲーション・モデルとは言ってみれば別物。しかし、だからこそ市販されるベース・モデルにはそのクルマならではの魅力が求められることになる。
GRヤリスは新開発の3気筒1.6ℓ3気筒直噴ターボ過給エンジンを搭載するが、最高出力はなんと272psに達する。4WDシステムは電子制御式油圧多板クラッチをカップリングとして使う専用設計で、オプションで前後のディファレンシャルをトルセン型差動制限機構付きとすることもできる。変速機は6段MTのみの設定である。久々に超ホットなスモールカーの登場に胸躍るではないか。
販売開始は2020年夏頃と発表されたが、6月30日までの期間限定で、特別仕様モデルの予約が開始されている。
文=齋藤浩之(ENGINE編集部) 写真=宮門秀行
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
advertisement
PR | 2024.04.05
CARS
見た目も中身も大きく生まれ変わった「MINI ジョン・クーパー・ワ…
PR | 2024.04.04
WATCHES
カール F. ブヘラから日本限定88本のヴィンテージ感あふれるクロ…
2024.04.19
CARS
モータージャーナリストたちもみんな「ちょっと古いクルマ」に乗ってい…
PR | 2024.03.28
CARS
クルマ好きが集う、秘密基地を訪ねる(後篇)
2024.04.10
WATCHES
これぞ、エレガンスの極み! ディオールの名作時計「シフル ルージュ…
PR | 2024.03.28
LIFESTYLE
ファウラーの新作縦型トートとスマホケースで、春のドライビング・スタ…
advertisement
2024.04.20
GT-R開発にも負けていない、これぞクルマ屋の仕事! 日産マーチ12SRは、どんなホットハッチだったのか?
2024.04.20
PHEVモデルを250万円以上値下げ レンジローバー・スポーツに装備の充実を図った2025年モデルが登場
2024.04.19
モータージャーナリストたちもみんな「ちょっと古いクルマ」に乗っている! あなたのちょっと古いクルマを見せてください!!
2024.04.15
藤野太一が乗るちょっと古いクルマ、ポルシェ911カレラ(2010年型) “中古車探しはお宝探し” 憧れだったクルマに乗れるのがいいところ!
2024.04.17
桐畑恒治が乗るちょっと古いクルマ、ランチア・デルタ(2014年型) 「中古になったら買い」の愛車候補はまだまだたくさんある!