【1月27日 AFP】中国は27日、これまで死者56人と感染者約2000人が出ている新型コロナウイルスの流行を抑えるため、1省4市で長距離バスの発着禁止を決め、移動規制を拡大した。一方、米国、フランスに続き、日本政府も流行の中心地で現在隔離されている武漢(Wuhan)から邦人を帰国させる準備に入った。

 コロナウイルスについて、中国の保健当局幹部らは記者会見で、感染力は「重症急性呼吸器症候群(SARS)ほど強力でない」が「徐々に強くなっている」と述べた。

 山東省(Shandong)と北京(Beijing)、 上海(Shanghai)、西安(Xi'an)、天津(Tianjin)の4都市は長距離バスの発着を禁止する措置を発表した。流行の中心地以外でのこうした措置により、春節(旧正月、Lunar New Year)の連休で帰省や旅行する数百万の人々に影響が出そうだ。

 一方、米国務省は26日、武漢の米領事館職員と米国民を、旅客機でサンフランシスコに運ぶ手配をしていると発表。フランス政府と同国の自動車最大手PSAグループも、政府職員や駐在員とその家族を、隣接する省の都市で検疫し帰国させる方針を示した。

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相も、日本人を速やかに避難させるため日本政府が中国政府と調整を進めていると明らかにした。(c)AFP/Sébastien RICCI