【1月26日 AFP】中国で新型コロナウイルスの感染が広がる中、2022年北京冬季五輪に向けた最初のテスト大会が2月中旬に行われることについて、国際スキー連盟(FIS)は現時点で「危険は小さい」と話し、予定通り実施する方向だと明かした。

 死者数十人、感染者数も千数百人近くに達している新型ウイルスは、最初は中部・湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)で感染が確認されたが、その後に少なくとも30の省や自治区に広がっている。その中でFISは、国際オリンピック委員会(IOC)と共同で、北京五輪のテスト大会として、アルペンスキーW杯男子の大会を北京市北西の延慶(Yanqing)区で行うことを予定している。

 しかしFISのサラ・ルイス(Sarah Lewis)事務局長は、スキーリゾートである延慶区は「ローリスク」だと話した。

「もちろん、世界保健機関(WHO)の指示には従っているし、延慶区でのW杯は北京五輪に向けた最初の公式テスト大会になるわけだから、IOCとも完璧に連携が取れている」「IOCも深く関わっているし、あちらは十分な数の代表団を現地に送り込んでいて、医療面に関してもWHOと連絡を密にしながら指示を出している」

 ルイス事務局長は、感染が広がっている地域から、延慶区が車で13時間かかる場所にあることを安全性の理由として挙げつつ、「状況が悪い方へ変化すれば」開催地変更の可能性もあると明かし、「危険を冒すつもりはまったくないし、その姿勢は中国当局も、IOCもまったく同じ」だと話した。

 延慶区でのアルペンW杯は2月12日から16日にかけて開催される。2022年の北京五輪本大会では、アルペンスキーの他にボブスレー、リュージュ、スケルトンの実施が同区で予定されている。(c)AFP