【2月8日 AFP】配送センターに山積みになった荷物、バイク専用レーンを疾走するランチ配達員――中国都市部では、電子商取引(EC)と配達アプリが日常生活に深く根付いている。

 だが、このような大量消費社会の拡大は、同時に膨大なごみを生み出している。世界銀行(World Bank)によると、中国で1年間に排出されるごみの量は、1980年のわずか3000万トンから2030年までには5億トンにまで膨れ上がるとされている。

 一方、利便性を求める風潮に反する動きも出てきている。政府は1月末、大都市でのプラスチック袋と、レストランでの使い捨てストローの使用を今年末までに禁止する計画を発表した。

 また、ごみを意識した消費を訴える「ごみゼロ運動」も一般市民の注目を集めつつある。

 2016年から「ごみゼロ」生活に取り組んできた北京在住のキャリー・ユー(Carrie Yu)さんは、「便利なので、あらゆるものがプラスチックで包装されている。でも、実際には便利さのために失われたものも多い」と指摘する。

 ユーさんと英国人パートナーのジョー・ハーベイ(Joe Harvey)さんは、ごみの大部分をリサイクルや転用、分解することで、3か月分の家庭ごみをわずか2本のびんに収めることに成功している。

 2人が住むアパートには、再利用可能かどうか、環境への影響が少ないかどうかという基準で選んだ最小限のものしかない。

 ごみゼロ生活を推進する「ゴーゼロウェイスト(GoZeroWaste)」は、北京を拠点とする活動家エルサ・タン(Elsa Tang)氏が立ち上げた団体だ。そのメンバーは中国19都市に広がっており、不要品の交換やより持続可能な生活を送るための情報交換を行っている。

 タン氏は、「私たちがもっと責任ある選択をすることで、環境だけではなく私たち自身の生活と健康に責任を持つことができ、多くのことを変えることができる」と語った。