アフリカ東部のバッタ大発生、元凶は豪干ばつと同じ気象変動現象
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【1月25日 AFP】アフリカ東部各地を襲っているバッタの大群について、専門家らは24日、気候の極端化が元凶で、干ばつと大洪水から立ち直れていない同地域に壊滅的な被害をもたらす恐れがあると指摘した。
バッタ大量発生の原因は、インド洋西部の海面温度が上昇する「インド洋ダイポールモード現象(IOD) 」という気候変動現象だ。IODは、森林火災やひょう、砂嵐といった異常気象に見舞われているオーストラリアに深刻な干ばつをもたらした。
バッタの大群はエチオピアとソマリアで発生し、ケニアに拡散。国連(UN)食糧農業機関(FAO)によると、エチオピアとソマリアでは過去25年間、ケニアでは過去70年間で最悪の蝗害(こうがい)となった。
放置すれば、バッタの数は6月までに500倍に増大し、ウガンダと南スーダンに拡散する恐れがある。
ケニアを拠点に食糧安全保障と栄養に関する取り組みを行うNGOによると、アフリカ東部は既に深刻な食糧不足となっており、1900万人超が急性的な飢餓状態にある。
さらに、植え付け時期と雨期が始まる3月ごろまでにバッタを制圧できない場合、次の作物も食い荒らされる恐れがある。(c)AFP/Fran BLANDY