【1月24日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)は23日、男子シングルス2回戦が行われ、大会第23シードのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は6-2、6-4、4-6、7-5でフランスのジル・シモン(Gilles Simon)を退けた。試合中には「真っ暗闇」に沈みそうになったとしながらも、落ち着きを取り戻して自信を増す勝利を手にしたと振り返った。

 お騒がせ選手として知られる24歳のキリオスは、地元メルボルンパーク(Melbourne Park)で臨んだこの日の試合で、ベテランのようなプレーで主導権を握ったものの、やがて集中力を失っていら立ちを募らせた。

 3回戦の相手は、スウェーデンのマイケル・イマー(Mikael Ymer)をフルセットの末に下した第16シードのカレン・ハチャノフ(Karen Khachanov、ロシア)に決定。この試合に勝てば、4回戦では世界ランク1位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が待ち受けていることになるとみられる。

 キリオスは少しばかりかんしゃくを起こした第3セットについて、「確かに少し自分を見失ったけれど、集中し直そうと努力した」とすると、「第4セットは真っ暗闇に沈んでもおかしくなかった」「頭を冷静にして『みっともないことはやめて、とにかく仕事をしろ』と自分に言い聞かせた。ゲームカウント5-5からブレークできた。あの状況を打破できて良い気分だった」とコメントした。

 また、新たな成熟の兆しとして、キリオスは重圧に直面していた第3セットにプレーヤーボックスの陣営に向かって怒りをあらわにしたことを謝罪したことも明かした。「ロッカールームに戻ってすぐに謝った。彼らにあんなことをすべきではなかった」「彼らはコート内外で自分にたくさんのことをしてくれている。だめだ、あんなことは許せない。彼らに責任はない」

 キリオスは生まれ故郷が森林火災で危機にひんしていることが、自分の物事に対する見方や集中力に影響しているといい、今大会では自分自身のためだけでなく、母国のためにプレーしていると感じていると語った。

「身体的には調子がいい。きょうはそのことが収穫かもしれない」「長いラリーや長期戦でも、今は手ごたえを感じている」(c)AFP/Martin PARRY